筋肉痛(筋線維損傷・筋膜損傷)
運動した数時間後から数日後に発生する「遅発性筋痛」のことをいいます。
▷原因
“遅発性筋痛の原因となる運動は、筋肉が収縮方向(求心性収縮)とは逆方向に引き伸ばされながら力を発揮している(遠心性収縮)時です。
求心性の収縮の場合、よほどの強い力を発揮しないかぎりは筋肉痛は起きません。
それらの原因により筋肉や筋膜が損傷を受け、炎症に伴い発痛物質(ブラジギニン、プロスタグランディンなど)が現れます。
また、最近では筋線維の損傷や炎症反応が起こっていない場合(通常の負荷強度での筋トレや日常生活レベルで「肩こり」に似たような痛みの場合)でもブラジキニン:BK、神経成長因子:NGFなどの発現増加がみられ、筋肉痛に対する新たな仮説が報告されています。
▷治療法
通常は発痛物質を消退させて、筋線維とその周りの筋内膜や筋周膜の損傷回復を促す微弱電流通電治療(施術)をおこないます。
経過に応じて温熱療法を併用し、柔整手技療法(柔整マッサージ)やストレッチングなどで治療(施術)をします。
▷クールダウン
運動後のクールダウン(アイシングやマッサージ、ストレッチングなどを含む)は、疲労の回復だけでなく遅発性筋痛を防止する為の重要な役割があります。
強度の運動をした後の筋肉は筋周膜や筋内膜さらには筋線維が傷ついた状態になっています。
この状態での発痛物質の出現や筋線維などの微小断裂は痛みや筋肉のハリなどの症状を持続させる原因になりますので、クールダウンを行い、それらの組織の回復を促進することで、症状の緩和を期待する効果があります。